マイナンバーの普及で脱税がよりばれやすくなる

2015年から交付が始まったマイナンバーと法人番号は、翌年から制度が開始し、2017年に提出する2016年度分の確定申告書からマイナンバー及び法人番号を記載することになりました。これによって、バレないと考えられていた脱税も税務署には明々白々に。

 

マイナンバーが作られる前は全国統一の番号は無く、国税でも一つ一つ番号が違いました。それを一つの番号にまとめて、住民基本台帳の住民コードと紐付けることで、税務署では過去の納税履歴まで一発で検索できるようになったのです。

 

過去の納税履歴は、基本的に5年分調査することになっており、悪質な脱税行為が見られた場合は時効が過ぎる前の7年分が対象になります。調査対象になりやすい業種は、主にキャッシュ払いが多い水商売です。無申告の所得額が大きい職種の上位には、風俗業やキャバレー、バーなどが挙がっています。

 

法人番号だけでなく、密告によって脱税が発覚するケースも少なくありません。国税庁では「課税・徴収漏れに関する情報の提供」を呼びかけており、ホームページから匿名で情報提供できるようになっています。情報提供者は、従業員や退職者などが多いです。

大口や悪質な脱税をすると検察に告発される

国税庁は通称・マルサ白書の平成28年度査察事績を公表しました。

 

これによると、税務署員が査察し告発した件数は132件でした。実はこの件数、減少傾向にあります。というのも、法人番号などで収入等の情報は明確になったものの、経済取引の場がワールドワイドになってきたことなどが影響し、様々な手法で脱税が図られているからです。

 

しかし、これで諦めるような国税庁ではありません。大口や悪質な手口で脱税している場合は検察庁へ告発されますが、告発件数は年々増加傾向にあります。平成28年度に告発された業種で多かったのは、建設業や不動産業、金属製品製造業などです。

 

国税庁はこの年から告発した脱税事件を一般的に公表することにしています。法人名や個人名、脱税額及びその手口が公表されるため、告発されればその先の経営に大きな影を落とすことは容易に想像できるでしょう。大口でないから大丈夫ということはありません。

脱税より節税をして支払う税金を少なくしよう

特に小中企業の経営者は自分で経理を行ったり、申告したりしているのではないでしょうか。何が経費になって何が経費にならないのか、もう一度見直して、経費になるものは漏らさずに申告しましょう。

 

それから、毎月継続して支払っている保険料や家賃、サーバー代などは、翌年の1年分を一括で払うと、全額経費として計上できることは知っているでしょうか。大きく利益が出た月に保険料などを先払いしておくと節税になります。ただし、一度年払いにしてしまうと、経営が厳しくても翌年以降も年払いが必須になるので注意が必要です。

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